以前勤めていた会社で一時期自分の所属するチームリーダーだったFさんの突然の訃報。
Fさんは非常に仕事に厳しい方で、正確性、効率性、メンバーの能力向上に貪欲で、常に職場内にピーンと緊張感があった。
鬼軍曹の様なFさんの歯に衣着せぬ物言いと変化のスピードについてこれず職場を去るメンバーも多くいたし私も何度か衝突した。
しかし、Fさんの仕事に対する圧倒的な情熱と集中力、緻密さ、見る者に配慮された資料の完成度の高さなど仕事人としてとても尊敬してた。
結局、会社のグループ再編による異動で一緒に仕事をしたのは2年程。それから更に2年後の今年6月、私が転職の挨拶に行った際、ニコッと笑って「頑張ってください。」と声をかけてくれたのが最後だった。
実は先週から、今の職場でそれぞれ意見の違う役員の間で身動きとれなくなり悶々となってた私。
月曜の夜 一人職場で手帳を見返していて出てきた一枚のメモ「鬼十則」。
元電通社長 吉田秀雄氏の行動規範。
以前、Fさんの仕事に対する考え方の根底にあるものを聞いたことが有り、それがこの「鬼十則」だった。
あまりに衝撃的だったのでメモにして手帳に忍ばせていたのをすっかり忘れてた。
「鬼十則」
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
特に最後の「摩擦を怖れるな…」は中々できるものではない…でもFさんは実践していたんだな。
なんかガツンときた。
おかげで頭の中のもやがスッキリ、それから一晩考え抜いた案を各方面へ調査確認し資料にまとめ、各役員としっかり話し込み、手続きを済ませ、今週中でなんとか皆win-winでひと仕事乗り切る事ができた。
Fさんが導いてくれた気がした。
ありがとうございます。
そして…頑張ります。
